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経産省 福一処理水の風評影響払拭へ協力要請

 経産省は、福島第一原子力のALPS処理水による風評影響の防止・抑制に向けて、食品関係の卸・小売り事業者などへ特段の配慮を求める通知を発出する。同処理水については、21年4月に政府が海洋放出方式を採用することを決定しており、同省は、同方針決定後の状況について把握すると共に、風評被害を生じさせない観点から、今後取り組むべき対策について示唆を得るため、昨年11月から12月にかけて、事業者調査を実施。同調査結果に関して、関係省庁で構成する「原子力災害による風評被害を含む影響への対策タスクフォース」が議論し、対象とする関係団体へ協力要請することを決めた。同要請では、各団体傘下の関係者に対して、同要請について周知を図ると共に、各団体から周知を受けた企業の代表者は、現場の調達・販売担当に対して周知徹底するなど、適切な対応を広く求める。
 具体的には、〇福島県・近隣県産品と他県産品との公平な選択、〇風評に関する兆候が見られた場合の情報提供、〇販売フェアなど積極的な福島県・近隣県産品の魅力発信・消費拡大への協力―といった対応を要請。さらに、調査結果を受けて同省が作成したリーフレットや、県産品などの食品の安全性に関する問い合わせ窓口の活用を推奨する。
 なお、同調査では、福島県・その近隣地域に所在する水産業者・農業者・畜産業者と、同地域に加えて主要仕向先となる都府県に所在する食品製造業者・食品卸売業者・食品小売り業者・外食業者・宿泊業者―を対象に、アンケートやヒアリングを実施した。その結果、処分方針決定後の販売先動向については、生産者の約45%、生産者以外の事業者の約40%が、何らかの注視すべき動きがあると考えていることを確認。現時点で取引停止など具体的な影響が発生していることは確認されず、足元では将来的な影響の発生を懸念する事業者が大部分を占めることが分かった。