主な記事 詳細

過去の主な記事

東電PG 那須塩原市と脱炭素先行地域事業

 東京電力パワーグリッド(PG)が、栃木県那須塩原市、那須野ケ原みらい電力と共同で取り組む、環境省採択事業「脱炭素先行地域~青木地区ゼロカーボン街区構築事業」の履行に向けて、市は今年度、地場産業である酪農業が盛んな市内青木地区で「地域マイクログリッド構築に係る詳細設計」をまとめる。64軒の酪農家が居住する同地区に、自家消費型太陽光とVSG(仮想同期発電機)付き蓄電池、那須疏水を活用した小水力、家畜ふん尿を活用したバイオガス設備など、未利用資源を有効活用した多様な再生可能エネルギー設備を整備して、脱炭素化を推進すると共に、VSG付き蓄電池を導入して「再エネ電力100%の地域マイクログリッドを構築することで、巨大地震などの有事における酪農業の事業継続性を向上させる」(市気候変動対策局)ため、計画のグランドデザインをまとめる。
 設計の対象となるのは、サッカー場とグラウンド、体育館で構成する総合スポーツ施設のキョクトウ青木フィールド内に設ける太陽光の詳細とVSG付き蓄電池の設置工事に必要な設計図書の作成、同じく再エネ設備を導入する道の駅「明治の森黒磯」における整備計画、前記2施設と既設のエネルギー設備を持つ市立青木小学校などの複数施設を結ぶエネルギーマネジメントシステムの構築計画の立案など―で、電力のコンサル子会社などに委託して本年度中に詳細設計をまとめる。計画では、青木地区内に整備する太陽光の総出力は1万3122㎾、家畜ふん尿を活用したバイオガス発電設備が200㎾、さらに那須疏水を活用した小水力が100㎾―を予定しており、運開時期は太陽光が24年度から、小水力が27年度から、バイオガスが28年度からを予定している。なお、既報のように東電PGは、那須塩原市のほか、さいたま市や埼玉大学と「公民学によるグリーン共創モデル」事業、栃木県宇都宮市や東京ガスネットワークと「コンパクト・プラス・ネットワークによる脱炭素モデル都市構築~LRT沿線からはじまるゼロカーボンシティ」事業、神奈川県小田原市と「エネルギーと地域経済の好循環のための基盤づくりを通じた市街地活性化」事業―の各脱炭素先行地域プロジェクトを展開している。