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環境省 北陸電GなどPPA先行モデル公表

 環境省は、今月から供給を開始した北陸電力ビズ・エナジーソリューション(北電BEST)によるオフサイトコーポレートPPA事業をはじめとした、11件の取り組みを国内先行モデルとして公表した。発電事業者が需要施設と離れた場所に再生可能エネルギー設備を設置し、発生した電力を特定の需要家に供給する同PPAを、新たな太陽光の調達手法として期待。同PPAにより電力を供給する事業者に対して、太陽光設備のほか電力系統に接続するために必要な設備の導入費用に関し、1.5億円を上限に3分の1を支援する、補助事業を昨年度実施した。さらに同省は、同補助事業を通じて同PPAの普及拡大を図るため、このほど北電BESTなど同補助事業の採択事業者による各事業概要について、事業者の参考となるよう公表したもの。
 同補助事業の採択者となった北電BESTは、北陸地域のセブン―イレブン店舗向けに、同社が福井県坂井市に建設した「北電BESTテクノポート福井太陽光発電所(6220㎾)」から、北陸電、北陸送配電を通じて電力を供給。同太陽光の年間発電電力量は約673万kWhを想定しており、今後20年間にわたり、北陸3県の303店舗で使う電力使用量の約1~2割分を賄うもので、北陸電グループ初のオフサイトPPAとなる。同PPAに関しては、 発電所の所在地である北陸地域の特性上、日射量が他エリアよりも低く、また積雪のために平均以上の耐荷重が必要となること、加えて臨海エリアに発電所を設置しているため、設備を耐塩害仕様とする必要があり、これらの要因から設備コストが増加することが課題だったことを北電BESTは、今回公表された事業概要の中で紹介した。また、同課題に対応するための工夫として、開発規模を大きくしてスケールメリットを創出し、発電コストを抑制。また、両面発電モジュールを採用することで、発電量の増加、耐久性の向上を図った―などの取り組みを明らかにしている。