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中国電 産学研究を米国地震学会が高く評価

 中国電力が、広島大学、九州大学との産学共同で研究を進めてきた「AI技術により普段の地盤の揺れから地震時の揺れやすさを自動的に推定する技術」が、優良研究として、米国地震学会の学術雑誌「BSSA(学会紀要)」に採択され、研究論文が同学会のライブラリーにこのほど、オンライン掲載された。同技術は、普段から発生している「微動」と呼ばれる地盤のわずかな揺れ―を計測することで、そのエリアにおける地盤増幅特性(地震時における土地の揺れやすさ)をAIが高精度に推定する―というもの。微動はいつでもどこでも計測可能なことから、詳細なボーリングなどの地盤調査や長期間の地震観測を行わずに「簡便に地盤増幅特性を推定することが可能になり、将来の強震動予測の高精度化にもつながる」(広島大)という。
 中国電は、管財部門が担務部門となって、約3年前から両大と研究を行っており、これまでの研究の成果をまとめた論文が米国地震学会に高く評価されて、今回の栄誉につながった。同学会は「世界初の技術で、将来の地震に対して精度の高い強震動予測が可能になる」と称賛しており、研究のさらなる進展と、原子力防災への寄与が期待される。