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エネ庁 脱炭素電源投資促す制度措置詳細検討

 経産省エネ庁は、電源の新規投資を促進するための新たな制度措置について、「価格競争方式」により落札電源を決定することを提案した。同措置では、カーボンニュートラルと安定供給の両立につながる新規投資電源に限定して、電源種混合での入札を実施し、長期間の固定収入の確保を図る。制度適用期間を複数年とする、一定程度の大規模な投資を想定しており、同庁は入札の実施にあたって、事業の実施能力や事業継続の確実性を担保する観点が重要―と指摘。落札電源の決定では、価格に限らず性能などを含めた評価を行う、総合評価方式も考えられるものの、制度全体の効率性を考慮して、まずは価格競争方式からスタートすると共に、入札事業者が投資回収につながる価格で応札し、その価格が落札価格となる「マルチプライス・オークション」を採用することが適切―との判断を示した。
 同庁は、現行の容量市場に加えて、脱炭素電源への新規投資を対象に入札を行う同制度措置を講じるため、詳細検討を進めており、このほど開催された電力・ガス基本政策小委員会において、これらの調達方式をはじめ、入札価格の在り方、制度適用期間、同措置の運営主体―などの論点に対する考えを示した。このうち入札価格の在り方について、現行の容量市場では、入札を行う事業者自身が、他市場収益を見積もっているのに対して、同措置では同収益を制度面で設定することが適切―とし、今後は設定方法に関する具体的な検討を進める考えを提示。制度適用期間に関しては、一般的に想定される投資回収期間や資金調達の観点を踏まえて、法人税法上の法定耐用年数を基礎に設定する方法を採用する。同期間は全電源種共通とし、FIT・FIP制度でも多くの電源種の制度適用期間となっている、20年を基本とする考え。また、同制度措置における運営主体については、現行の容量市場を運営する電力広域的運営推進機関が担い、一定の役割を果たすことを求める。