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文科省 東電設計の協力でA‐FNS施設建設

 文科省は、核融合原型炉の開発に必要となる、先進核融合中性子源(A‐FNS)施設の建設に着手する。同施設は、同省の核融合科学技術委員会が18年に策定した「原型炉に向けたアクションプランとロードマップ」で打ち出した次世代事業構想の一環となる大規模プロジェクトで、日欧の協力の下、07年より研究を進めているもの。核融合炉を模擬した同施設では、中性子スペクトルを持つ大強度中性子源を用いて、核融合材料照射試験を行うほか、発生する膨大な量の中性子で「応用利用の在り方を探るための専用ラボ」(同省核融合・原子力国際協力担当)として利用。核融合炉開発に向けた理工学研究の拠点と位置付ける。
 事業主体は、国立研究開発法人・量子科学技術研究開発機構で、同機構の核融合エネルギー研究開発部門・六ヶ所核融合研究所(青森県六ヶ所村)内に同施設を整備する。計画では、同研究所に隣接する16・94㏊を用地に、本体棟として地下・地上3階建て、長さ178m、幅111m、高さ46mの建屋を設ける。第一弾として、本体棟建屋の基本設計のための検討を、東電設計に委託して今月より開始する。東電設計は、本体棟の建屋基本設計計画案や工程計画の作成のほか、概算工事費の算定なども行って、来年2月28日までに報告書にまとめる。これを受けて同機構は早急に設計を行い「25年頃を目標に着工する」(同)考えだ。