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エネ庁 福井の地域振興で年末にも基本方針

 経産省エネ庁は、原子力の運転終了後も見据えた、立地地域の目指すべき方向性を示すため、福井県を対象に具体的検討を進め、今年中を目処に立地地域の将来像に関する基本方針を取りまとめる。同検討に向けてこのほど創設した「福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議」の下にWGを設けて、関係自治体・有識者ヒアリングや、関連した各市町計画の内容精査などに取り組む。
 同WGは、同庁電力・ガス事業部原子力立地政策室を事務局に、内閣府、文科省、同県と敦賀市、美浜・おおい・高浜の3町、関西、北陸両電力、日本原子力発電などで構成。北陸電は塩谷誓勝・取締役常務執行役員、関西電は安藤康志・常務執行役員・地域共生本部長、日本原電は師尾直登・常務執行役員がWGメンバーとして参加する。今秋以降の共創会議開催に向けて、今後2~3回程度の会合を行い、地域共通の課題を踏まえた基本方針と工程表の素案を作成。同会議に諮った上で、今年末までに基本方針と工程表を策定し、来年度以降の具体的な取り組みにつなげる。
 福井県では、多数の原子力が集積する嶺南地域において、エネルギーをキーワードに地域経済の活性化や、環境に優しい街づくりの実現を目指して、経産、文科両省と北陸、関西両電、日本原電が共同で「嶺南Eコースト計画」を昨年3月に策定。同計画に基づく具体的なプロジェクトとして関西電は、「シェアEVなどを活用したVPP実証の実施」を提案し、嶺南地域において同実証を展開しているところ。同実証に対してエネ庁は、エネルギー構造高度化・転換理解促進事業として支援すると共に、観光施設とエネルギー関連施設を組み合わせた広報事業への専門家派遣などで協力。原子力をはじめ再生可能エネルギーの利活用も取り込んだ地域振興のための取り組みを後押ししている。