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九州電 NTTや三菱商事と新事業構想検討

 九州電力は、NTT、三菱商事を事業パートナー候補に、太陽光の余剰電力を高出力蓄電池に蓄電してNTTの電話局や、三菱商事グループの大手コンビニであるローソンの店舗で活用する新規事業の商業化を検討している。50年のカーボンニュートラルの実現を目指して、九州電がこのほど策定した「カーボンニュートラルビジョン2050」に基づく取り組みで、太陽光など再生可能エネルギー分野に加え、アイルランドや長崎県対馬、鹿児島県種子島などでこれまで実証を行ってきた高出力蓄電池による次世代蓄電池システムや、再エネ導入の拡大に向けた蓄電池制御技術に関する豊富な知見・技術を活かして、高出力蓄電池やEVの蓄電池を活用した「ライフタイム管理事業のビジネスモデル」のスキームを構築し、余剰電力を溜めた蓄電池をNTTグループの通信局舎や三菱商事グループの各施設、ローソンなどのほか、自治体や一般家庭・企業にも配備し、施設内のほか、災害時のBCP向けエネルギー管理用電源としても活用する―という新規事業の実現につなげる。
 事業パートナー候補のうちNTTは、19年に三菱商事と「産業DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に関する業務提携」を交わしており、この一環として全国に現在、約7300ある管理電話局への蓄電池の導入を進めている。また、子会社のNTTアノードエナジーが昨年、三菱商事と、再エネ事業への共同出資、再エネ事業からNTTグループへの電力供給―を目指して「エネルギー分野での協業」を決めており、新たに九州電とも協力して、3社が持つ広範なネットワークを活用した新規事業の開発につなげる考えだ。なお、蓄電池が設置可能なローソンの店舗は「九州内に約1300店ある」(三菱商事)という。