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経産省 電柱倒壊の倒木対策で伐採指針を改正

 経産省は、電柱の損壊事故における倒木対策として、電気事業法第61条に基づく「植物の伐採指針」を改正する。昨年9月に発生した台風15号による電柱の損壊事故では、原因の大半が倒木や飛来物などによる二次被害であったことを踏まえて、倒木処理における伐採が可能なケースを定めた電事法の解釈など、運用面の見直しを行う。倒木処理について電事法は、倒木による電線への障害があり、電気の供給に重大な支障を生じるときは、所有者が不明などで承諾をとれない場合でも、伐採が可能であることを定めている。一方で同省は、同規定では適用要件が一部明確でないことや、伐採後の提出書類が煩雑・膨大であることなどを課題として提示。これらの課題解決に向けて、植物の伐採が可能な場合の解釈を明確化させると共に、復旧作業の迅速化に向けた書類手続きの簡素化を図るため、同規定の運用を整理した同指針を改正するもの。今月中にも同指針の改正案について、パブリックコメントを開始する見通し。
 同指針改正では、倒木などの障害の放置によって生じる、電気供給への「重大な支障または公共の安全阻害の恐れ」について明確化。広範囲の停電、著しい周波数変動・電圧変動を生じる恐れがあるなど、電気の正常な供給義務が著しく妨げられる場合や、植物が電線路を損壊していることで、既に電気の供給に重大な支障を生じている場合を同指針に記載し、所有者不明でも植物の伐採が可能なケースであることを明らかにする。さらに、事後届け出における添付書類に関しては、一部の書類を不要にすると共に、提出枚数を削減する見直しを行う。具体的には、既に電気設備に接触し、同設備を損壊させている倒木については、添付書類のうち「対象植物平面図」「同横断図」「伐採状況写真」の提出を変更。電線と倒木の距離の記録といった追加的な作業が、伐採作業中に発生する対象植物平面図と横断図の作成を不要とする。さらに、伐採状況写真の提出枚数を適正化するなどの措置により、被害への迅速な対応を図る。