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電気学会 でんきの礎にOYKモータなど5件決定

 電気学会は、社会や産業の発展に大きく寄与し、文化的に顕著な貢献をした電気技術を称える「でんきの礎」として、新たに5件を決定した。同学会創立120周年を迎えた08年に創設した同顕彰は、今年13回目を迎え、今回の顕彰を含む計82件が「電気技術の発展史上重要な成果を示すマイルストーン」(同学会)として認められたことになる。今回の顕彰は、「回生ブレーキ付き電機子チョッパ制御車両~千代田線6000系車両の開発~」(日立製作所、三菱電機、東京地下鉄)、「川原田政太郎とOYKモータ(自動同期引込形誘導同期電動機)」(早稲田大学)、「大容量3レベル中性点クランプインバータ」(長岡技術科学大学、日立、東芝、三菱電機、富士電機、東芝三菱電機産業システム)、「中嶋章とスイッチング理論」(日本電気)、「方向性電磁鋼板オリエントコアハイビー」(日本製鉄)。このうち、工学者の川原田政太郎氏が発明し、921年に製品化されたOYKモータは、誘導機の良好な始動特性と同期機の高効率・高力率な定常特性を併せ持ち、自動で同期引き入れを可能にした斬新な電動機。931年に上野地下鉄ビル壁面の電気式大時計や、機械式テレビの駆動用にも適用され、効率と力率の高さから、電力会社からも使用が奨励された。電気学会は、来月12日に東京都足立区の東京電機大学で開催する全国大会に合わせて、これら顕彰の授与式を行う。