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関西電 千葉関電病院長が難病解明で歴史的発見

 関西電力病院の千葉勉・院長が、京都大学などとで組織する研究グループが、国の指定難病となっている「IgG4関連疾患」の発症の解明につながる遺伝子を発見した。同疾病は複数臓器に病変が及ぶ免疫系の難病で、希少疾患であることに加え、診断が困難であるため世界的にも研究が進んでおらず、網羅的ゲノム解析は「これまでに一度も行われていない」(京都大)という。そのため、千葉院長の研究グループは、同疾病の専門医が所属する日本全国の50の研究・医療機関の協力を得て、同疾病に罹患した患者の臨床情報を集積したデータベースを構築すると共に、国際診断基準を満たす患者857例のDNA検体を収集。その上で、ゲノム上の95・84万か所の一塩基変異の頻度分布を患者と対照群とで比較して関連解析を行ったところ、染色体6番のHLA遺伝子座と、染色体1番のFCGR遺伝子座に「有意な関連が検出された」(同)もの。

さらに前者は、HLA-DRB1遺伝子が、後者はFCGR2B遺伝子が同疾患と関連することも判明し、今後の研究によっては「これらの遺伝子がどのように疾患発症、病態、重症度に関わるのかが明らかになる」(同)という。同研究の成果は、英国の国際学術誌「The Lancet Rheumatology」のオンライン版で発表され、大きな話題となっている。