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東電HD オートキャンプ世界大会で福一視察

 東京電力ホールディングス(HD)が、グループ大で取り組む「福島第一原子力の視察を通じた風評被害の防止と、復興の現状に関する国際広報の推進」に呼応して、今年9月28日から10月6日に、福島県天栄村で開催される国際ミーティング「第89回オートキャンプ世界大会」の特別プログラムとして、福一の視察が2日間にわたって行われることが決定した。同大会は、国際キャンピング・キャラバニング・オートキャラバニング連盟(FICC、世界32国で構成、本部はベルギー)と、日本オートキャンプ協会(JAC)が、県・村と共催するキャンプ愛好者のための国際会合。世界中のキャンパーが国家、言語、民族の違いを超えて集まり、開催国の文化に触れながら、住民との交流を深める平和の祭典として知られている。日本での開催は25年ぶり(通算3回目)で、今大会は「観光・交流・復興」をテーマに掲げて「福島の復興の現状を国際社会に広くアピールする」(明瀬一裕・JAC会長)考えで、同趣旨を踏まえて会期中の10月2、3の両日、東電HDの協力を得て、世界中のキャンパーを迎えた福一の視察を行うもの。
 計9日間の大会期間中、アジアやヨーロッパなど世界14か国(25日時点)からの500人を含む、千数百人のキャンプ愛好者が一堂に参集することから、大会プログラムとして人気の高いエクスカーション(小旅行)の目玉として、福一の視察と共に、東京電力廃炉資料館の見学も行って「福一事故から7年が経った現在の福島の力強い復興の現状を、世界中の人々に見てもらう」(同)のが狙い。当初は10月2、3の両日に各35人の視察を予定していたが、参加希望者が多いことから、2日に「さらに35人の視察受け入れが可能かどうか―を現在、東電HDに検討していただいている」(JAC)という。これにより世界14か国から、最大で100人超の視察が大会に併せて行われることになり、県や東電HDが期待する廃炉の国際広報が進むことになる。福一の視察については、FICCのジョアン・アルヴェス・ペレイラ会長も「フクシマは漁業・農業が盛んな上、日本有数の原子力・火力の先進地帯として知られており、世界大会の参加者は今回の視察により、そうした事実を長く記憶に留めることになるでしょう」と期待している。