主な記事 詳細

過去の主な記事

エネ庁、東電HD 福一視察ツアーを今秋開始

 経産省エネ庁は、東京電力ホールディングス(HD)との共催で今年度より、初の試みとなる「福島第一原子力の構内を巡る一般住民向けツアー(仮称)」を実施する。同ツアーは、東電HDが目標に掲げる「東京五輪が開かれる20年までに、福一の視察者を2万人に増やす」を視野に入れた取り組みで、福島県富岡町で昨年4月に行われた第16回廃炉・汚染水対策福島評議会において、地元首長から提案された「福島の復興支援を目的とした施策」の一環となるもの。既報のように、東電HDは「視察によって福一の現状を見てもらうことが、風評を防ぐと共に復興の一助になる」との判断から、視察希望者の意向に柔軟に対応しており、同提案に対してこれまで、○国や県、関係市町村との連携のあり方、○視察受付専門窓口の設置、○具体的なルートの特定、○視察に併せた地元特産品のPR―などについて、課題の整理と実現に向けた検証を進めてきた。
 その結果、福一の視察を、風評対策の一環として福島県が提唱する「ホープツーリズム(復興が進む県の現状を『他県にはない特有の魅力』と位置付け、旅行素材にして発信する広報活動)」と連動させ、福一を巡るツアーに併せて、東電HDが昨年11月に開館した「東京電力廃炉資料館」や今年4月に再開したJヴィレッジの見学に加え、参加者による座談会―などで構成する官民ツアーを今年度より開始するもの。同ツアーの概要は、今月1日に、いわき市で開催された官民ミーティング「廃炉・汚染水対策福島評議会」で、エネ庁の担当者から報告された。募集人数などについては現在検討中だが、地域住民の意向を積極的に受け入れ「今秋より開始して本年度中に数回実施する」(同庁)考え。