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環境省 環境事業調査で東北電の成功要因を分析

 環境省は、環境ビジネスの実態に関する調査結果を取りまとめ、環境ビジネスを実施する企業の先進的な事例として、東北電力などの取り組みを評価・分析した。経済・社会のグリーン化やグリーン成長を担う環境ビジネスについて、官民に役立つ情報を提供するため、同調査を実施しており、同省は環境産業を環境汚染防止、地球温暖化対策、廃棄物処理・資源有効活用、自然環境保護―の分野に分けて定義。18年度調査では、第5次環境計画を踏まえて、これらの分野において「IoTやAIをはじめとしたICTやロボット技術を活用したビジネスを展開する企業」をテーマに設定し、国内で環境ビジネスの立ち上げに至った「成功企業」として、東北電など26社を選定した上で、創業経緯やビジネスの成功事例・要因などについて調査した。
 このうち地球温暖化対策分野での環境ビジネスの成功企業に選定した東北電について同省は、将来の事業領域の拡大に向けて、中期経営計画の中で、IoT、AI、ビッグデータなどを用いた、新たな情報技術を活用した事業の推進を掲げると共に、社内にIoTイノベーション推進体制を整備し、素早く新規事業・サービスの開発・展開を実施できる体制を整えたことを高く評価した。さらに、電力小売り事業を通じて保有する、東北エリアでの強固な顧客基盤により、効率的にエンドユーザーへのアプローチが可能である同社の特長を指摘。コミュニケーションロボット「BOCCO」を活用した生活アシストサービスや、家電別の省エネアシストサービスといった、IoTやAIなどの情報技術による新たなサービスを開発するなどの取り組みに対して、顧客基盤や信用力を活かして、他社との提携もスムーズに進め、特にIoT・AIなどを活用した新規事業では、ベンチャー企業とのオープンイノベーションを活用し、新規サービスの創出、展開体制を強化している―と分析した。