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日本CCS G20関連イベントで苫小牧実証見学会

 電力10社、電源開発など現在35社の国内エネルギー関連事業者が出資する日本CCS調査(JCCS)は、今月10、11の両日「JapanCCSフォーラム」のサイドイベントとして、苫小牧CCS実証試験センターの見学会を実施する。今月15日から長野県軽井沢町で行われるG20関係会合「持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」のサイドイベントとなる同フォーラムは、オーストラリアに本部を置く世界規模のNPO団体・グローバルCCSインスティテュートの主催により、同12日に東京都千代田区のイイノホール&カンファレンスセンターで開催される。同団体に加盟するJCCSは、地球環境産業技術研究機構、石炭エネルギーセンターと同フォーラムを後援すると共に、フォーラムの開催に先立ち、北海道苫小牧市で取り組むCCS実証の拠点となる実証試験センターの見学会を2日間にわたり実施。実証の概要を現地で紹介するほか、圧入井の見学などを行って、最終段階を迎える同実証を国内外に広くアピールする。

 同実証では、隣接する製油所のガス供給設備から延長1.4㎞のパイプラインで送られてきたCO2含有ガスを利用して、純度99%以上のCO2を試験センターで分離・回収。さらに回収したCO2の圧力を高めた上で、2杭の圧入井から海底下の貯留層へ圧入・貯留しており、16年4月から開始したCO2の圧入により、これまでに約26万tのCO2の圧入・貯留を完了した。なお、ガス供給元の定期保全工事に伴ってJCCSは、今月4日から圧入を停止しているが、7月下旬を目処に再開し、30万tの圧入目標を今秋にも達成する見通し。