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関西電 トロバスの貢献を称えて公認模型を販売

 関西電力は、既報のように今年11月30日で廃止する「関電トンネルトロリーバス」の、運用開始以来のこれまでの会社への貢献度を形で残すために、同バスの雄姿を実際の車両の150分の1サイズで再現した車両模型の製造・販売を開始する。立山黒部アルペンルートの黒部ダム(富山県立山町)~扇沢(長野県大町市)間を結ぶ同バスは、964年の営業運転開始以来「トロバス」の愛称で全国的に親しまれており、これまでに6000万人超の利用者を集めている。しかし、関西電は「部品調達が困難」「環境への配慮」などの理由により現在、管理・保有するトロバス計15台を19年度から全て電気バスにリプレースする方針を決定。これに対して「トロバスは地域経済の発展のために多大な貢献をしてくれた」(立山町)として、地元でも廃止を惜しむ声が強いことから、同バスのNゲージ車両模型を、市と町の公認アイテムとして独自に製品化することを決め、今年4月より「黒部ダムを共に歩んで54年。」とコピーで展開している感謝活動「関電トンネルトロバスラストイヤー」キャンペーンの目玉として、一般向けに販売するもの。
 商品化するのは、初代から数えて3代目にあたる現車両の300型と、前面に関西電の社紋と黒部ダムのキャラクター「くろにょん」を掲げた18年ラストイヤーラッピング車両の2アイテムで、製造は鉄道模型の製作・販売で知られる玩具メーカーのトミーテック(栃木県壬生町)に委託(市・町公認アイテムの製造・販売事業者として認定)する。販売価格はいずれも1800円(税抜き)で、今日21日より、全国の家電量販店や大規模店舗型玩具チェーンストア、鉄道模型ショップなどで販売を開始する。販売にあたって関西電は、大町市と立山町を迎えたキックオフイベントを、黒部ダムの展望広場で今月13日に開催。その中で、トミーテックへの認定書授与式も行った。同式に参加した両市町は、自治体公認アイテムとなるトロバス模型の一般販売について「同バスの在りし日の雄姿を忘れない上に、さらなる黒部の周知拡大にもつながる」(町)と期待している。