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北海道電、ユーラス 道北で大規模風力事業推進

 北海道電力が、ユーラスエナジーホールディングスやエコ・パワー、北海道銀行など道内2行・1信用金庫との共同出資により、13年に設立した北海道北部風力送電は、ユーラスと協力して、道内の稚内市と豊富町で新規風力事業を開始する。計画では、ユーラスの主導で、同社にとって道内9施設目となる計66万㎾の大規模風力を、23年度までに両市町内に新設。さらに北海道北部風力送電が、豊富町に世界最大級となる総蓄電容量72万kWhの蓄電池設備を整備すると共に、同風力での発生電力を、北海道電の変電所がある中川町まで結ぶ亘長77・8㎞の新規送電線を敷設する。工事では、電力線などを渡す鉄塔を計265基、変電所1か所、開閉所を2か所をそれぞれ整備する。送電線の敷設と蓄電池施設の整備に関する総事業費は1052億円を予定しており、このうちの半額を経産省の補助金で賄う。

 蓄電池設備の建設地は、町内の民有地を予定しており、来月13日に地鎮祭を行った上で、9月中の着工、23年度の運開を目指す。風況に優れる道北エリアは、国内でも有数の風力候補地となっているが、需要が少なく送電網が脆弱なことがこれまでネックとなっていた。そのため、北海道電やユーラスなどが進める今回の大規模プロジェクトに対しては「道北地区の風力開発の加速化、さらに運開後は『再生可能エネルギーのまち』として町のPRと活性化につながる」(工藤栄光・町長)と、地元も大きな期待を寄せている。