東電RP 中岩ダムなど2施設が土木遺産に
東京電力リニューアブルパワー(RP)の、中岩ダム(利根川水系鬼怒川、栃木県日光市)と、駒橋水力(2・22万㎾、山梨県都留市)の付帯施設である落合水路橋が、土木学会の今年度「選奨土木遺産」に選定された。
選奨土木遺産は、竣工から50年以上が経過した土木関連施設を対象に「失われかねない歴史的遺産の保護・救済・保存」(同学会)のため、00年度の制度創設より毎年20件程度を選出して、社会へのアピールとまちづくりでの活用を働き掛けている文化財保護の取り組み。
同学会の「日本の近代土木遺産〜現存する重要な土木構造物2000選」に選定されている、東電RPの中岩ダムは、小田急電鉄の前身会社である鬼怒川水力電気によって大正期(924年)に建設された曲線形重力式ダムで、選考では「第二次世界大戦前から存在する数少ない日本の重力式アーチダムである」ことなどが評価された。
同様に、駒橋水力落合水路橋は、東京電力ホールディングス(HD)の前身会社である東京電灯が、駒橋水力の関連施設として907(明治40)年に建設した水路橋で,河床を3連アーチで越え,東側に小さな4つのアーチを設けた構造が「ひときわ目に惹く、現在では珍しい大規模煉瓦構造物」として評価された(97年に国の登録有形文化財・建造物に指定)。
両施設の管理保有者である東電RPには、選定を証明する青銅製銘板が贈られるほか、11月18日の「土木の日」に合わせて、土木学会の各支部が主催する記念行事の中で表彰式が行われる。なお今年度に選定された東電RPの2つの施設を含めて、創設から4分の1世紀の歴史を重ねた選奨土木遺産の累計総数は、計550件となった。
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