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中部電 静岡県・市の海洋DX拠点構想に協力

 中部電力は、静岡県・市と協力して、市内清水区の自社社有地周辺を、産学官の連携により海洋デジタルトランスフォーメーション(DX)の一大拠点とする地域振興プロジェクトを開始する。

 県・市が昨年、採択を受けた、内閣府の「地方大学・地域産業創生交付金」(期間5年間、約13億円)に基づく「駿河湾・海洋DX先端拠点化計画」に協力するもので、日本一深度が深いことで知られる駿河湾に接する地の利を活かして、市内に海洋関連の課題解決に向けた専門人材の教育の場を整備すると共に、新たな関連産業を創生するための官民共同事業体を立ち上げて、人材の育成や技術の社会実装、雇用の創出につなげる。

 具体的には、市内に海洋学部を置く東海大学が静岡大学、静岡理工科大と連携して、国立・私立の枠を超えた新しい大学院(大学等連携推進法人)を創設する。さらに研究の成果を事業化に結び付けるため、産学官の共同事業体「しずおか海洋DX研究開発・事業化推進コンソーシアム」も設置する。同コンソーシアムは、最新のデジタル技術を駆使して、海草や藻にCO2を吸収させて脱炭素につなげるブルーカーボンや、光技術を応用したセンサーによる海洋観測技術・関連機器の開発、新たな養殖技術・手法の実用化―などを進める。
 構想の実現に向けて市は、事業用地としての使用を視野に、清水区貝島地区の中部電社有地22㏊を同社から購入する。今年度は土地取得に向けた協議に備えて、中部電の了承を得て、社有地で測量調査を行って用地としての規模を確定させる。さらに同調査に併せて建設発生土を保管するための用地を中部電から賃借する。内閣府の支援を含めた総事業費は、今年度からの5年間で21億円を予定している。