Jパワー 大間工事再開へ安全性向上を推進
Jパワーは、大間原子力(138・3万㎾)の工事再開を視野に、安全性の向上に向けた取り組みを推進する。08年に着工し、14年11月の運開を予定していた同原子力は、福島第一原子力事故に伴う国内原子力の全停により、11年3月から工事を休止。原子炉建屋、タービン建屋は地上1階床まで施工が完了しており、休止時点の進捗率は、土木工事64・7%、主建屋新築工事などの建築工事38・5%、機械電気工事36・1%、総合進捗率は37・6%だった。
同社は、原子力部門459人体制(今年4月時点)で、大間プロジェクトの完遂を目指しており、本店組織(原子力業務部25人、原子力技術部236人)は、原子力規制委員会による地震・津波の審査、プラント審査への対応、建設所(大間現地本部124人)は、工事再開に向けた準備を加速する。建設中プラントであり、現場が無い中で、電力各社への出向、自社の運転訓練シミュレータを活用した教育・訓練など、技術的能力向上への取り組みを推進する。
今年4月までに、原子力職社員の200人以上が、BWRでの業務を経験した。出向により大間のマネジメント能力向上を目指すと共に、出向未経験者も、同社の火力勤務や大間の設計業務、教育などを通じて、基礎的な知識取得の強化を図る。また、シビアアクシデント事象を模擬できる、フルスコープの運転訓練シミュレータや、保守管理業務に必要な知識・技能を習得するためのモックアップ設備を備えた、保守訓練センターをサイト内に設置し、運転員・保守員の育成に向けた実技訓練を計画的に実施している。
規制委による地震・津波の審査については、昨年11月に基準津波、今年5月には基準地震動が、それぞれ概ね妥当―との評価を受けた。基準地震動の確定を踏まえて、このほどプラント審査が本格的に開始されており、同社は今後も「十分なリソースを投入し、大間の安全に対する考え方について、しっかり説明する」考えを改めて規制委に示した。施工再開の前後に行う、健全性確認方法の具体的検討や、使用前事業者検査に向けた模擬検査など、工事再開への体制を整備しており、40年以上にわたる大間プロジェクトの前進を視野に同社は、継続的な安全性向上に取り組む。
