九州電 玄海EPが唐津市の地域活性に貢献
九州電力の玄海エネルギーパークで育てられたユリ科の多年草「ゆうすげ」が、玄海原子力(計236万㎾)が立地する玄海町に隣接する佐賀県唐津市の地域活性化に大きく貢献している。
高さ13mの実物大の原子炉模型が人気を集める同エネルギーパークは、原子力に特化した広報施設として知られるが、施設内に設けた「椿園・あわつき」と「観賞用温室」で植生された計200種類の植物も、来館者や住民の支持と人気を集めている。
こうした背景から、同パークの至近地で野菜の育苗を行っていた古舘初美さんが06年、耕作放棄地を開墾して玄海エネルギーパークのような花卉・植物の楽園を設ける構想を立案。同構想に賛同した同パークからゆうすげの苗を譲り受けると共に、以来毎年、地域の人々と九州電の社員が協力して荒れ地の開墾と雑草取りを続けながら、これまでに計20万本のゆうすげを植栽した。その結果、現在は約8000㎡を可憐な黄色い花で埋め尽くす自然公園「ゆうすげの里」に成長した。
レモンイエローの可憐な花が特徴のゆうすげは、朝顔とは逆の「夕方に開花して翌朝にしぼむ」という、はかない習性を持つ花として知られ、これから月末にかけてピークを迎える。日没から夜明けまで、あたり一面が涼やかな花で彩られ、玄界灘から吹き渡る潮風に揺れる姿は幻想的で、多くの観光客を集める人気施設となっている。
毎年6月の最終土曜日には、九州電の関係者を迎えた「ゆうすげまつり」も開かれ、今年も先月28日に行って盛況となった。園内には遊歩道や駐車場も整備され、市も「地域の宝」と胸を張る。現在、同施設を管理する「ゆうすげ友の会」の代表を務める、立案者の古舘さんも、九州電の協力に感謝しており、同社が目指す社会共生スローガン「人と自然と、つくるみらい」を具現する象徴的な取り組みとなっている。
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