主な記事 詳細

過去の主な記事

経産省 東北自然エネの再エネ開発を高く評価

 経産省は、東北自然エネルギーの再生可能エネルギー事業を、国内における電力の安定供給と地球温暖化対策に貢献する取り組みとして高く評価した。同社が岩手県八幡平市で進める、松川地熱更新計画の環境影響評価準備書に対する審査書を取りまとめ、同書の文頭で同社の再エネ事業に言及。再エネ利用拡大への社会的要請に応えるため同社は、地熱をはじめ水力・風力・太陽光の4種類の自然由来エネルギー開発に邁進してきた―と指摘すると共に、国内初の商用地熱として966年に運開した、松川地熱の50年以上にわたる運用実績と、CO2排出削減効果を評価したもの。
 同地熱における20年度までの総発電電力量(送電端)は、八幡平市内の一般家庭で使用する電力量の約220年分となる約72億kWhで、これによるCO2排出削減量は約320万tと、同市の総排出量の16年分に相当する。さらに同地熱は、16年に日本機械学会から「機械遺産」に認定されるなど、地域の観光資源としても親しまれており、最新の知見から同電源の地下には、今後も長期にわたって利用できる、豊富な地熱資源が賦存していることが確認されている。
 これらの実績・効果や、環境影響評価方法書に基づく調査結果などを踏まえて同省は、現状の地熱資源採取量の維持と、最新鋭設備の導入により、現在の1万4990㎾から2万3500㎾へパワーアップさせる同地熱更新計画に対して、環境影響の観点からも妥当性を認めた。一方で、先月22日付けで提出された同準備書に対する環境大臣意見では、〇生産井はできる限り長く安定的に利用し、新規掘削を最小限にする、〇温泉の温度・湧出量・成分に関する環境監視を継続的に実施し、影響が確認された場合には、適切な措置を講じる、〇新たに設置する地上設備は、周囲の環境との調和を図る―などの措置を提示。同意見について経産省は、今後提示する準備書への勧告に反映する。