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広域機関 ブラックスタート必要量の検討1年程度

 電力広域的運営推進機関の「電力レジリエンス等に関する小委員会」は、ブラックスタート電源の必要量について、見直しの是非を判断するには1年程度の期間を要する―との判断を示した。北海道胆振東部地震で生じたブラックアウトでは、ブラックアウトの状態から、外部電源より発電された電気を受電することなく、停電を解消するブラックスタート機能を活用して復旧。万が一のブラックアウトに備えて、国内の各電力エリアでは、ブラックスタート機能を調達しており、同機能を具備した電源の調達方法について検討した需給調整市場小委員会は、 24年度以降は、容量市場におけるkW調達時期(契約発効の4年前)と同時期に年間公募で調達し、21~23年度は、電源Ⅰや電源Ⅱ等の調整力公募を通じて調達する―との方向性を示している。

 一般送配電事業者は現在、各エリアのブラックスタート機能の調達において、同機能の維持に必要な補機などの固定費と、同機能の使用に伴う変動費を支払っており、広域機関はブラックアウト対応・ローカル対応共に、全てのエリアで調整力公募を通じて、同機能を有する電源の必要量を確保していることを確認。さらに今後は、一般送配電事業者と協調して、現状の復旧方策の適切性や、他エリアにおける復旧方策の適用の可能性を含めた追加的な方策の要否を確認した上で、同機能の必要量について見直しの是非を検討する考えを示した。具体的には、ブラックアウト対応について、ブラックスタート初期においてブラックスタート電源となる発電所から流通設備に送電しながら、火力、原子力に電圧を到達させる際に、電圧を適正維持できるか、また同様に送電においても周波数を適正維持できるか―などを検討。ローカル対応では、ブラックスタート電源が対象地域の需要に送電した際に、同電源のみでその地域の需要変動に応じるため、電圧や周波数を適正に維持できるか―などについて検討する。なお広域機関は、これらの検討結果を得るまでは、各エリアのブラックスタート電源の必要量は現状と同様とし、同電源の公募は現状と同様の必要量で実施することが適当―との判断を示している。