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東電PG 国際協力推進で台湾・台南市長と面談

 東京電力パワーグリッド(PG)の大石峰士・海外事業推進室長は15日、台湾南部の台南市で黄偉哲・市町と面談し、既報のように東電PGが現在、同市で展開しているスマートコミュニティ実証事業の進捗状況や、日台の官民連携による新規事業の可能性などについて、忌憚のない意見交換を行った。台湾政府は現在「5+2産業発展政策」と呼称する国家経済目標の中で「グリーンエネルギー技術の発展」を目指しており、グリーンエコノミー(環境保全や持続可能な循環型社会などを基盤とする経済)の実現に向け、07年に開業した台湾高速鉄道の台南駅周辺の再開発エリア(台南市サルン地区)で、モデル事業となるスマートコミュニティ開発プロジェクトを、東電PGの技術支援を受けて進めている。今回の大石室長の訪台は、その一環となるもので、同プロジェクトのコンセプト検討を担務している国立成功大学が、昨年6月に東電PGと交わした同プロジェクトに関する連携協定に基づき、市・東電PG・同大の産学官で今後、再生可能エネルギーを統合・制御するバーチャルパワープラント(VPP)を市内に分散設置して、出力変動に対応するためのデマンド・レスポンスに関する実証事業と、各種エネルギーデータの活用による住民向けサービスに関する実証事業を、それぞれ開始する。

 東電PGは、現在の民進党政権が再エネの推進に注力(電源構成比で現在約3%の再エネを至近年内に20%に引き上げる目標を提示)していること、さらに事業協力する台南市が、年間日照時間の長さから太陽光の適地となっていること―などを踏まえて近年、同市を中心に台湾国内で複数の事業を推進しており、台湾政府が計画する大規模インフラ整備計画「サルン・スマート・循環・エコロジー都市」事業への協力に続いて、同社が先月明らかにしたように、同じ台南市内において、同国の工業技術研究院や東京ガスなどと共同で、次世代検針システムの実証実験(期間は今年1月~20年12月まで)にも着手。同様に今後、同国政府や市、事業者などと積極的な交流を図って、新規事業・サービスの開発につなげるほか、台湾での取り組みをモデルにした海外各国との様々な共同事業を展開していく考えだ。