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電力総連 電気保安人材の課題を分野で整理

 全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)は、電力関連産業の人材に関する課題について、発電、送配電、保安などの分野ごとに整理し、エネルギーを支える基盤となる現場人材の重要性を示した。

 このほど書面審議された経産省の電力安全小委員会に対し、電力総連の組織人員が減少傾向にあることや、40代後半~60歳にかけての人員が多く、今後10年程度のあいだに退職が進むことなどを挙げて、電気保安人材の確保が難しい状況にあることを示した。
 同小委は、電気分野における保安に関し、人材、技術、設備の観点から各業界団体にヒアリングを実施。電気保安人材の確保・育成やスマート保安などの革新技術導入、高経年化対策に向けた課題、取り組みについて各団体から説明を受けた。

 そのうち全国10の地域別組織と2つの職域組織で構成する電力総連は、電力システム改革の結果、多くの制度上の歪みや矛盾など、懸念されていた事項が顕在化し、安定供給を支える人材にも影響を及ぼしている―と指摘。少子高齢化に伴う大量退職と若年層の採用難が同時発生しており、対策を講じない場合、40年には約5万人の電気保安人材が不足する危機的状況にあることを訴えた。
 発電分野の課題として、太陽光における墜落・転落リスク、架台設置などの専門外業務の増加、設置者責任の欠如を提示。水力設備では、墜落・転落や巡視・点検のリスクに加え、技術継承の懸念、野生動物との遭遇など山間部特有の課題を挙げた。

 火力に関しては、脱炭素政策の影響により、火力の出口戦略が不透明な状況になっていることを指摘。調整力・慣性力として火力の重要性が再び増大する中で、出口戦略の不透明さがベテラン技術者やサプライチェーンに将来不安を招いており、電力の安定供給を重視した戦略の見直しが急務である―との考えを示した。
 送配電分野では、広域・長期にわたる応援派遣の常態化や、過酷な労働環境と処遇の乖離に加えて、災害時の支援体制不足による現地負担の増大を課題とした。人材不足が深刻化する中で、工事需要は増加傾向にあり、エリアを跨いだ応援要請の増加や工期の長期化により、電工部門の労働環境は限界に達しつつある。

 また、激甚化する自然災害に伴い、後方支援やプッシュ型応援派遣の重要性が高まる中で、特定のスキルを持つ後方支援者の不足やリーダー派遣の遅れが発生。後方支援業務は多岐にわたり、適切な人員の選定・割当に時間を要し、現場の負担が増大している。
 電力総連は、これらの課題を整理した上で「制度整備だけでは電力の安定供給は成し得ない」「電力システムの根幹と安定供給の基盤は、現場で働く人材」であることを改めて示した。若手の採用難では、国民生活と経済活動を支える社会インフラである電気保安の社会的意義を再確認し、やりがい・働きがいの向上を図ることが急務とした。