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エネ庁 災害時の電力データ活用で有用性確認

 経産省エネ庁は、NTTデータに委託した調査から、災害緊急時における電力データ活用の有用性を確認すると共に、活用環境の構築や導入コストなどに課題があることを整理した。

 全国の全世帯・全事業所へのスマートメーター設置が24年度に完了。同メーターから得られる電力データについては、災害緊急時での活用に加え、社会課題の解決やビジネス創出への活用が期待されている。そうした状況を踏まえて同庁は、昨年度事業として同調査を実施した。
 24年1月に発生した能登半島地震、同年9月の奥能登豪雨では、電力データ活用の効果を確認しており、より多くの自治体への同データ活用を促すため、調査では、福島県富岡町と和歌山県田辺市の協力を得て、同データ活用による災害対応業務などのシミュレーションを実施。その内容を基にヒアリングを行い、救出救助、避難生活者支援、復旧・復興業務における電力データ活用の有用性を確認した。
 救出救助では、電力使用量から推定した在・不在情報を被災状況の把握に活用。通報や目撃情報など既存の手段と組み合わせることで、被災エリアの特定を迅速化し、要救助者の状況を広く把握できる可能性を示した。これにより、救助部隊の配置を適正化でき、道路寸断など情報収集が難しい地域の派遣判断に有用であることを確認した。
 避難生活者支援では、被災者の在・不在傾向を把握し、見守り訪問の曜日や時間を調整することで、訪問計画を効率化できると評価。不在宅への訪問を減らすことで職員負担の軽減も見込む。復旧・復興では、被災直前約2か月の電力データから居住実態を確認し、罹災証明の追加書類に代替することで、業務時間を約30%削減できると試算した。
 このほか同調査事業では、47都道府県・1788市町村を対象にアンケートを実施し、521自治体から回答を得た。災害対応への電力データ活用について、約7割が「初めて知ったので今後検討したい」と回答した。北海道と近畿地域の自治体では「今後検討したい」の割合が全体より低く、「活用する気はない」が高い傾向もみられた。

 アンケート結果を踏まえて同庁は、制度の認知や実装面に加え、導入コストなどを今後の活用課題に挙げた。また、自治体での制度認知が限られる一方、活用を検討したい自治体は多い―と分析。平時からの活用を進めて、災害時には速やかにデータ活用できる環境構築を推進する必要性を示した。