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エネ庁 原子力再稼働加速を行動指針で提示

 経産省エネ庁は、原子力の再稼働加速と、既設炉の最大限活用に向けた政策対応を強化する。5日に開催した原子力小委員会で「今後の原子力政策の方向性と行動指針」の改定案を提示した。

 従来の「既設炉の最大限活用」を「再稼働の加速・既設炉の最大限活用」に改め、審査や安全対策工事へのデジタル・AI活用の検討加速をはじめ、15か月超の長期運転に向けた検討などを同指針に盛り込んだ。
 改定案では、再稼働に向けて培われた、産業界全体の知見や支援体制を活用しながら、審査や安全対策工事に取り組む原子力への協力を強化する方針を明記した。再稼働対応では、多数の工事や審査対応が並行して進むため、工程管理や文書管理の負担が増大している。これを踏まえ、海外や他産業におけるAI活用事例の収集や、ベストプラクティスの共有を進め、審査、工事の効率化につなげる考え。
 既設炉の運用高度化も推進する。国内の原子力は現在、13か月サイクルで運転しているが、まずはPWRの15か月運転を着実に進める。その上で、18か月や24か月といった、さらなる運転サイクルの長期化を視野に、安全評価手法の確立や燃料の高度化などに向けて取り組む方針を示した。
 運用の高度化により、既設炉の安全性・設備利用率の向上につなげるため、原子力エネルギー協議会(ATENA)は現在、PWRの15か月運転導入に向けた技術的検討を進めており、さらなる長期化への課題整理も実施。また、原子力事業者や電力中央研究所原子力リスク研究センター(NRRC)、ATENAなどが連携し、運転中保全(オンラインメンテナンス)の導入をはじめ、対象設備の拡大を目指して検討を進めている。

 改定案では、これらの取り組みをさらに発展させ、産業界の連携強化により再稼働を加速する方針を盛り込んだ。加えて、米国の取り組みも参考に、定期検査の合理化を推進。点検項目の適正化や作業の効率化を進め、安全性の確保、設備利用率の向上を図る。
 蒸気発生器やタービンの更新など、大型機器のリプレースも重要施策に位置付けた。設備の信頼性向上と共に、発電出力や利用率の維持・向上、原子力サプライチェーンの維持・強化を目指すことを明確にした。このほか、GX関連法に基づいて導入した、運転延長認可制度を踏まえた記述も加えた。高経年化対策による安全性確保を前提に、既設炉の長期利用を進める方向性を改めて示した。

 原子力小委におけるこれまでの議論では、長期化する審査プロセスの迅速化や、審査体制の充実を求める意見が出たほか、米国で進む80年運転を念頭に、経年劣化評価の知見を拡充すべき―との指摘があった。一方で、運転期間延長やオンラインメンテナンスについては、安全性への懸念も示され、安全確保を大前提とした制度運用を求める声も上がった。