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九州電 DX推進の取組が先進事例として脚光

 九州電力は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向けた先進的な取り組みが、デジタル技術を活用した有効事例として、情報処理推進機構(IPA)のウェブコンテンツ「デジタル事例データベース」で紹介された。

 同コンテンツは、デジタル技術を活用する際の参考となる、様々な事例を紹介するもので、九州電が提供する特別高圧・高圧ケーブル向けスマート保安サービス「PDLOOK(パドルック)」と、同社グループの九電ドローンサービスが実施する、ドローン活用の取り組みが新たに追加された。
 経営ビジョンで「企業変革をリードするDX推進」を掲げる九州電は、AIをはじめとするデジタル技術とデータを最大限活用し、生産性向上やプロセスの効率化・高度化・自動化を進める。近年、自家用ケーブルの高経年化や保全技術者の減少、技能継承の難しさなど、電力インフラを巡る構造的課題が深刻化しており、突発停電や波及事故のリスクが増大。従来の点検だけでは十分に予防できない―といった現場の不安・課題に応えて、電力インフラで培った技術と、最新のデジタル技術を融合した独自の保安サービスを提供し、企業の現場が抱える課題解決に貢献する。
 PDLOOKは、特別高圧・高圧の自家用電気設備のうち、特に重要度の高い電力ケーブルの劣化・異常兆候を早期に把握し、事故を未然に防ぐことが目的のスマート保安サービス。独自の診断技術とデジタル技術の組み合わせにより、従来のケーブル点検における停電作業や大規模な調整を不要とし、「無停電・遠隔・常時監視」という新しい保安モデルを実現する。国内で唯一、特別高圧ケーブルに適用する無停電・遠隔診断サービスであるのも大きな特長。
 九州電は、同サービスの全国展開を加速するため、九州域外の顧客と幅広い接点を持つ、商社と代理店契約を締結し、商社が有するネットワークや知見の活用を図る。電力小売りとの親和性を活かしたビジネスモデルの構築、他産業とのアライアンス形成にも取り組み、サービスの適用範囲を拡大する。診断データを継続的に蓄積し、将来的には余寿命診断などの高度な予知保全モデルの確立を目指す。
 16年の熊本地震を契機に、九州電は災害時における迅速な被害状況把握や、設備点検業務の高度化を目的として、ドローン活用の取り組みを本格化した。蓄積した技術やノウハウを活かして、19年には社外の顧客向けサービスとして事業化すると共に、ドローンを活用した点検・測量・空撮ニーズの高まりを受けて、九電ドローンサービスを24年4月に設立した。

 九電ドローンは、災害対応・設備点検の高度化、測量業務をはじめ、機体販売、導入支援やドローンスクール運営まで顧客ニーズに応じた様々なサービスを提供。点検業務の効率化、安全性・品質の向上など社会課題の解決につなげており、ドローン・ロボット・AI・デジタルツインなどの高度な技術を共創し、DX実装を加速化する。機体販売後の支援サポートを含めたサービスの充実化を図り、総合ソリューションの提供も目指す考えだ。