エネ庁 系統安定化へ一送電にPMU検討求め
経産省エネ庁は、一般送配電事業者に対して、PMU(位相計測装置)導入に向けた取り組みを求める考えを示した。電圧起因による系統不安定化への対応策の一つとして、広域で高精度な系統状態把握の必要性を指摘。高度な計測機器としてPMUの活用による監視・分析環境の整備を図る。
再生可能エネルギーの大量導入に伴い、従来に比べて慣性力や同期化力が低下し、電圧や位相の微小な変動が、広域的な不安定現象につながるリスクが高まっている。そうした系統の複雑化を背景に、このほど開催した次世代電力系統WGで同庁は、今後の系統対策や運用ルールの検討につなげるための基盤として、実際に発生する事象を可視化・分析することは必要不可欠―と指摘。電力広域的運営推進機関の委員会などにおいても、系統の不安定現象に留まらず、慣性把握や広域的な同期安定性制約の運用高度化に向け、PMUによる詳細な計測情報の必要性が示されている。
PMUは、電圧の大きさだけでなく、位相をGPSの時刻情報に同期し、時系列の情報を常時計測できる点に特徴がある。広域系統の動的な状態把握を可能とする技術として、世界的に導入が進んでいる。PMUデータを活用することで、慣性力の把握や系統不安定現象の早期検知など、系統運用の高度化につながる効果が期待されている。これまでの同WGや関連検討において同庁は、将来的な導入拡大の必要性を繰り返し指摘しており、このほど、一送電におけるPMU設置の検討・導入を促す方向性を示した。
PMUの導入に関しては、昨年1月に開催した調整力及び需給バランス評価等に関する委員会で、まずは30年代前半を目途に、上位2電圧(基幹系統)の主要変電所など、必要性が高い箇所にPMUを設置することを提案。その他の系統については、個別に系統ごとの必要性を踏まえて、設置を進める考えも示した。再エネ拡大に伴う系統安定性の課題に対しては、電力中央研究所も、広域で高精度な計測・解析技術の重要性を指摘しており、PMUデータの活用が、その中核的な役割りを担う可能性を示唆している。


