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HPセンター 中国加え海外の最新普及動向

 ヒートポンプ(HP)・蓄熱センターは、海外におけるHPの普及状況に関する最新の調査結果を取りまとめ、各国における共通課題として、設備の初期投資費用に加え、電気料金の負担感を挙げ、普及を左右する要因として強調した。

 21年度から実施する同調査は、欧州、米国など主要国・地域の市場動向や政策を整理した上で、今後の見通し、共通課題を分析している。今年度の調査結果を踏まえて同センターは、昨年度の情報を更新すると共に、新たに調査対象国として中国を加え、世界の主なHP市場をほぼ網羅する構成とした。

 中国政府も電化やHPの重要性を強調しており、北京市や浙江省などの一部地域では、HPの熱源である空気熱を、再生可能エネルギーとして定義付ける動きがあることが同調査から判明した。従来欧州を中心としていた政策的潮流が、アジア地域にも波及しつつあることを確認。そうした動きは日本におけるHPの政策的な位置付けを再考する上で重要な示唆を含む―との考えを示した。
 今回調査では、HPの市場動向として、欧州での販売減少、中国市場の成長期から調整期への移行―といった、足元の減速を指摘。政策的な後押しは継続しているが、経済環境やエネルギー価格の影響を強く受けて、市場が一時的に停滞している現状を踏まえた分析を行っている。地域差はあるものの、共通の課題として同センターは、設備の初期投資費用・イニシャルコストと、エネルギー価格・ランニングコストの負担感を挙げた。特に電気料金が、ガスなどの熱源と比べて割高な場合は、HPの高効率性が十分に評価されにくいことを指摘。設備補助に留まらず、運用段階のコスト構造に踏み込んだ政策の重要性を提起した。
 HPに有利な電気料金体制として、欧州では、多様な仕組みが導入・検討されている。同調査では、HPなどを「制御可能な負荷」と位置付け、通常の家庭用電力とは別枠で、割安な電力を供給する、HP専用電気料金プランを挙げた。同プランは、HP用電力を専用メーターで計測し、送配電事業者が一定時間の供給遮断権を保有。その代わり、ネットワーク料金などが軽減され、単価は一般家庭用より低く設定できる仕組み。

 現時点では、ドイツ、イギリスを中心として、同プランを本格的に展開しており、他のEU加盟国は制度整備が進行中、または限定的な導入に留まっている。ドイツでは現在、同プランと一般家庭用の平均単価には25%程度のコスト差があり、同プランの導入が経済的に有利となるか否かは、年間の電力消費量と専用メーターなどの追加設備コストに大きく依存する点も指摘している。