Jパワー ブルーコンクリートを国交省が推奨
Jパワーが独自開発した「Jブルーコンクリート(石炭灰重量モルタルブロック)」が、国交省から「優良技術」として選出・承認され、優れた新技術の普及拡大に向けた広報用資料(新技術カタログ)で紹介されることになった。
社会課題となっている施工人材の不足に対応して国交省は、23年に設けた有識者組織「港湾工事における設計段階からの新技術導入促進委員会」の意見に基づいて「全国的に共通する現場ニーズに基づく4つのテーマ」(同省)に関する技術公募を、同年11~12月と今年3~4月に実施。
その結果、テーマ1=桟橋上部工の施工作業効率化(17技術を選出)、同2=吸い出し防止対策(13技術)、同3=藻場・干潟造成(17技術)、同4=護岸かさ上げ等の気候変動適応(13技術)―の計60技術を優良技術として選出。さらに各技術を紹介するための新技術カタログを策定した。
このうち、テーマ3(藻場・干潟造成)の「生産定着促進技術」として選出された、Jパワーの「石炭灰重量モルタルブロック、表面を凸凹加工したブロック」は「ブルーカーボン・ブルーインフラの取り組み」の一環として、同社が港湾空港技術研究所や不動テトラなどの協力を得て開発した、石炭灰と銅スラグを主原料としたコンクリート代替材料。
ブロックの表面を、凸凹加工にしているのが特徴で、Jパワーが若松総合事業所(福岡県北九州市)の周辺護岸に設置した同ブロックによる実証「藻場造成プロジェクト」では、水深の浅い位置に加え、水深10mを超える位置のブロックにも「設置後1年目から相当程度の被度で、アラメ、ツルアラメ、ホンダワラなどの海藻類が付着・生育する効果を確認できた」という。
同技術はカタログのほか、国交省が港湾局のホームページ内に設けた「港湾工事における設計段階からの新技術導入促進」欄でも紹介して、全国の工事発注者やコンサルに利用を働きかけていく考えだ。
なおテーマ3では「種苗生産技術」として、鹿島による「配偶体技術を用いた大型海藻類の陸上種苗生産技術(地域固有の海藻種の保全による藻場の再生)」も、紹介されている。


