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JICA エチオピアで新規地熱の開発支援

 JICAは、日本の電力の協力を得て、東アフリカのエチオピア連邦民主共和国で、新規地熱の開発に向けた「エチオピア国試掘・能力強化プロジェクト」の一環となる詳細計画策定調査を開始する。同国は現在、順調な経済成長の下で「成長と構造改革計画Ⅱ」と名付けた経済政策に基づいて、新規電源として「資源ポテンシャルの高い地熱の設備容量を20年までに57・7万㎾に拡大する」との数値目標を打ち出して、その達成を目指してきたが、開発の前提となる試掘に必要な予算の枯渇と地熱技術者の不足から、直近となる21年末の実績はわずか7300㎾に留まっている。既報のようにJICAは、エチオピア政府からの要請を受けて、同国アファール州テンダホ‐アイロベラ地域とアラロベタ地域にそれぞれ、テンダホ2(仮称)、テンダホ3(同)の2つの新規地熱を整備するため、西日本技術開発や日本工営、住鉱資源開発、地熱エンジニアリングに業務委託し、16~19年に計3回の現地調査を実施した。
 その結果、18年11月~19年1月に実施した第3回調査の集約結果から、前記2つの新規地熱の建設地(プロジェクトサイト)を「両地域の野生動物保護区内とする」(JICA)方針を決定すると共に「(当初計画の変更に伴う)カテゴリ分類の変更(BからAに)により「追加調査が必要となった」(同)ことから、第4回となる詳細計画策定調査を実施することになったもの。今回の調査は「環境社会配慮面での補完調査」で、最新データの取得と共に、エチオビアにおける直近の電力事情なども詳細に調査して、同国電力公社による新規地熱開発を側方支援しながら、掘削事業の円滑な実施に向けた調達管理や工事監理なども行う。調査実施期間は、集約期間を含めて今年9月23日~24年5月1日を予定しており、業務委託会社を来月中に決定する。なおエチオピアでは、ニュージェックが首都アジスアベバ市と周辺域における送配電網の改修・拡張に向けた準備調査を、JICAの委託を受けて19年に行っている。