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中部電 名古屋市の再開発で誉高校を誘致へ

 中部電力が「ウェルネス・アソシエーション(WA)」という独自のコンセプトを掲げて、愛知県・名古屋市と先月交わした「第20回アジア競技大会選手村後利用事業基本協定」に基づき、市内港区の名古屋競馬場跡地(20・7㏊)で計画する大規模タウンプランニング事業の一環となる、跡地南西部の「学びゾーン」(5ha)に、愛知県豊田市の学校法人・尾関学園が運営する誉高等学校(同小牧市)を迎えることが明らかになった。同事業は、県と市が23~25年度に跡地の土地区画整理を行った後に、中部電グループ(中電不動産、日本エスコン)を中心とするグループ(他に大和ハウス工業、矢作地所、マザーズ)の主導で、26年9月に開幕するアジア大会の選手村を整備し、10月4日の大会終了後、用地内に「賑わい」「住まい」「憩い」「学び」の各ゾーンを設け、商業施設や分譲マンション、戸建住宅、複合型福祉施設、高校、大学、図書館、研究施設、イノベーションハブ・産学連携拠点、エネルギーセンターなどを整備して、前記のWAのコンセプトに基づいた「多様な人々がつながり、お互いに助け合いながら社会課題を解決し、共にしあわせを育む、次世代型で持続可能なまちづくりを目指す」(中部電)ための大規模再開発プロジェクト。
 このうち、学びゾーンには、野球場とサッカーグラウンド、図書館を整備する方針で、各設備を「高校と大学が共用して活用する方向で検討している」(同)。この高校枠の候補となっている誉高校は、983年創立の共学校で、09年に現在の校名に改称し、普通科(進学コースと総合オフィスコースで構成)に約400人の生徒が通っている。同校が跡地に移転して、新たに設ける校舎は「1学年あたり200~240人が収容可能な面積を確保する」(清水英仁校長)考えで、津波などの災害に備えて「4~5階建てとする」(同)。着工は27年5月以降を見込んでおり、学校説明会や入試のスケジュールなどを踏まえて、28年12月~29年1月の竣工、同4月の開校を目指す(施工会社は未定)。新校舎の規模を踏まえて、同校は「現在は募集を停止している商業科の再開も視野に入れている」という。中部電との話し合いも順調に進んでおり、近く発表する。なお中部電は、ニュータウンのまち開きを「28年頃」と予定している。