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北海道電 新本店ビル建設計画を札幌市と再構築

 北海道電力が、札幌市などと共同で計画する、自社の新本店ビルを中心とした再開発構想「創世1・1・1区(そうせい・さんく)大通東1地区再開発」プロジェクトが、長期に及ぶコロナ禍の影響で、事業内容とスケジュールについて再検討することになった。既報のように同プロジェクトは、968年に大成建設の施工で竣工した北海道電の本店ビル(7階建て・ 延床面積3.4万㎡)が、運用開始から50年超が経過していることから、本店ビルと北海道電力別館や札幌中央変電所、さらに近隣の北海道中央バスの札幌ターミナルビル、竹中工務店の旧社有地(市に無償譲渡)なども含めた区内大通東1地区全体の再開発と、市が別途予定している大通公園の延伸計画とを同時並行的に進めることで、30年度末に予定されている北海道新幹線の札幌延伸に対応可能な、市中心部の大規模再開発を効率的に進めるための総事業費500億円超のタウンプランニング事業。
 北海道電は、17年発足の地権者でつくる再開発協議会において、市と協力して街区一体の再開発の進め方について検討。総面積約1.5㏊の同街区に、本店のほか、オフィス棟やホテル、店舗などが入る延床面積10万~11万㎡の最新型インテリジェントビル(26階建て、高さ123m)と共に、街区の南側から大通公園に連続する緑化したオープンスペースを設けて「創成川東西の連携強化を図ることで、新本店ビルを市の新たなランドマーク&中核スポットとして機能させる」(市まちづくり政策局都心まちづくり推進室)方針を、18年に市が策定した事業計画で明らかにしていた。 計画を巡る経済環境の変化などを受けて市は、昨秋より地権者にヒアリングを実施(北海道電は12月に実施)したところ、コロナ禍の影響による需要の低迷により当初計画通りの事業化は難しい―との声が多数上がったことから、新たな不透明要因となったロシアのウクライナ侵攻に伴う社会情勢の変化も視野に、来年度に再度、北海道電などを迎えて協議した上で、事業内容やスケジュールを再構築することになったもの。協議期間の終期は設けず、全地権者の意見を踏まえて新たな計画の概要を成文化する予定だ。