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JERA 豪ケンブラ港のガス事業は22年開始

 JERAと丸紅が、豪州ニューサウスウェールズ州のケンブラ港で計画する新規LNG貯蔵・再ガス化設備の運用開始と、同設備で製造したガス供給事業の開始時期が、設備の拡張などにより、当初計画の20年第1四半期から、22年以降にずれ込むことが明らかになった。同事業は、世界第2位のLNG輸出国でありながら、国内におけるLNGの探査・生産に対する同国政府(州政府含む)の厳しい規制に加え、国内LNG生産業者が既に、日本を含む東アジア諸国(中国、韓国)と複数の長期供給契約を交わしていることなどを理由に「国内供給が需要に追いついていない」(州政府)ため、JERAと丸紅が、同国の資源開発会社であるスコードロン・エナジーと共同でつくる合弁会社「オーストラリア・インダストリアル・エナジー(AIE)」が計画推進組織となって、整備費2億豪㌦(約140億円)を投じて実現を目指す国際貢献事業となるプロジェクト。
 計画では、ケンブラ港にFSRUと呼ばれる全長300mの「浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備(施設名:ポートケンブラガスターミル)」を整備し、同設備で年間180万t(予定)の輸入LNGを再ガス化して、10㎞離れた州東部向けガス供給網を通じ、州内を中心に隣接するビクトリア州にも供給する。年間供給能力は100ペタジュール超となる見通しで、同量は「当州の需要の7割以上を満たす規模になる」(同)という。FSRUの設置と係留は、同分野の第一人者企業であるノルウェーのホーグLNG社が担務する。運用開始時期の遅れは、製造したガスを供給する地元企業の旺盛な需要に応え、当初計画から供給能力を倍増するために事業計画を修正したことに伴うもので、州政府も「当州にとっての重要インフラプロジェクト」として、JERAのなど取り組みに期待している。