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環境省 CO2削減技術開発で異分野連携型テーマ新設

 環境省は、CO2の大幅削減を目指して取り組む「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」について来年度、地域社会において相互に連動した課題を優先テーマとして新たに設定することを明らかにした。様々なステークホルダーが連携した、オープンイノベーション型の取り組みを実施するもので、このほど同事業の公募を開始。1課題あたり単年度2億~7億円程度を支援する。初年度は委託事業で行い、オープンイノベーションにより異分野の企業などが連携することで、複数の要素技術を同時並行で開発。それぞれを統合してシステム化する体制を構築し、後年度には補助事業に移行して、確実な事業化を達成する考え。
 同省は新テーマに関して来年度、昨今の台風の強大化といった自然災害や異常気象の深刻化に対して、気象災害のリスクがさらに高まることが予測されているのを踏まえて、「地域の脱炭素化と災害対応力の向上を両立する自立分散型エネルギーシステムの構築に資する開発・実証と低コスト化」と「デジタル技術などを活用した一般戸建住宅等既存建築物のZEB・ZEH化に資する開発・実証と低コスト化」の2テーマを設定。大容量・低劣化・長期間保持可能・可搬な蓄電・蓄熱システムの低コスト化や、コンパクトで革新的な短時間充放電・熱管理システムなどに関する開発・実証と、AIやIoT技術を活用して、革新的な環境制御技術の高度化・最適化を図り、災害時においても自立的環境機能の維持や、迅速な機能回復を可能とする建築物に関する開発・実証について、それぞれ実施事業者を募集する。なお同省は、同技術開発・実証において、ボトムアップ型分野別技術開発・実証枠も設けており、将来的な地球温暖化対策の強化につながり、各分野におけるCO2削減効果が相対的に大きい一方で、民間の自主的な取り組みだけでは十分に進まない技術開発・実証を後押しする。