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エネ庁 系統接続実務者向けサイトを3月にも公開

 経産省エネ庁は今年3月上旬にも、同庁ホームページ内のコンテンツ「なっとく!再生可能エネルギー」の中に、系統接続を希望する事業者など、実務者向けのポータルサイト「なるほど!グリッド」を開設する。再生可能エネルギーの大量導入を支える「次世代電力ネットワーク」の構築について検討を進める同庁は、同サイトの創設を通じて系統利用者にとって有用な情報を効率的にアクセスできる仕組みを構築する考え。具体的には、系統増強工事に関する事例集や、相談・紛争処理を行う関係機関の紹介をはじめ、出力制御シミュレーションに役立つ公開情報などを一元的に公開。現場の実態に対応したルール整備を補完するための仕組みとして、情報発信機能の強化を図るもので、系統接続などに関する様々なルールについての情報を提供する、ワンストップポータルサイトの創設を目指す。
 再エネ導入における系統増強工事では、工期が長期にわたり、結果として接続に要する時間が長すぎる―といった声が再エネ事業者などから挙げられており、この背景としてエネ庁は、再エネ関連設備自体の工事の増加に加えて、送配電等設備の高経年対策工事なども増加傾向にあり、工事に従事する人手不足が顕在化しているといった、構造的課題がある―と指摘。一方で、系統の工事については、現状のルールにおいても、事業者自らが送電線の新設工事を行うことが可能であり、一部の事業者には、発電設備から需要設備までを、自ら施工・所有している自営線で供給している事例も存在。また、東北北部エリアの電源接続案件募集プロセスでは、工事箇所の数や規模が大きくなるため、電源線の整備について東北電力は、可能な限り発電事業者による施工を依頼しているところ。これらの事例に関してエネ庁は、新たに提供するワンストップサイトなどで周知し、早期連系を望む発電事業者が「一般送配電事業者に関係工事の施工を依頼するのではなく、自ら工事を実施することを検討し易い環境づくりを進める」考えを示している。