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経産省 卸・小売り市場の監視業務機能を強化へ

 経産省は、電力市場に対する監視業務の機能強化に向けて、「市場シミュレーションモデル」により、競争状態の将来展望を予測し、定常的に監視する仕組みを導入する。小売り市場の全面自由化により、電力の卸・小売り市場の競争状態について、監視を強化することが今後一層必要になる―と判断。一般電気事業者の自主的取り組みへのモニタリングをはじめ、制度設計WGでこれまで行ってきたこれらの監視をさらに強化するため、シミュレーションモデルを構築し、卸・小売り市場の健全性を害する行為が無いか―など、将来の展望を予測しながら監視する仕組みを導入。同監視結果を踏まえて同省は、制度改善の検討や業務改善命令などの措置を実施する仕組みも設ける考え。
 同シミュレーションモデルは、電力市場の万能型シミュレーションツールであるEnergy Exemplar社の「PLEXOS」を採用。国内の電力市場モデルとして同ツールを運用するため、経済指標、電源別発電コスト、エネルギー政策といった長期需要決定要因や、最大電力・日電力量、需要の季節性などの需要情報を同ツールに入力し、日本市場モデルのカスタマイズを行う。供給情報については、発電設備情報、費用情報では発電設備建設費・運用費などの情報を入力することで、運用に向けた仕組みを構築すると共に、同省の担当職員が運用のスキルを取得する実務教育を実施。今年度中にも同モデルを確立し、将来的な市場の伸び率に応じて再構築を図ることで柔軟に対応する。